この辺にある↑
Windows10以前の場合、「書式(O)」の「右端で折り返す(W)」を押すと見えやすいです。
Windows11以降の場合、「表示」の「右端で折り返す」を押すと見えやすいです。

※Windowsパソコンで開いた場合の、メモ帳アプリについてです。
それ以外はすみませんが自力で何とかしてください。

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利用規約に則る限り、自由に使用して構いません。



最後まで一緒にいると、決めたんだ。


KaC編集部 様 主催・TRPGシナリオ投稿企画「70年後の追憶」参加作品
新クトゥルフ神話TRPG

ヴェスペルティリオ・テレスコピウム

制作：ゆにばんG



【トレイラー】
システム：クトゥルフ神話TRPG（第六版）／新クトゥルフ神話TRPG（第七版‬‬‬‬）‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
舞台設定：世界観／年代／国籍／季節問わず
想定人数：1KP、1PL
推奨技能：＜目星＞
目安時間：3時間から（対面・ボイスセッション想定）
難易度　：低（選択死、探索不足死あり）
物語傾向：疑似クローズド（一本道）／継続推奨／ロールプレイメイン／うちよそ／KPC前提／オリジナル神話要素あり
注意事項：実在の精神疾患に関する描写あり。かなり重めの鬱。



 
【ネタバレなし情報】

---- はじめに ----

どうもゆにばんGです。
宇宙好きを拗らせた結果、質の高い鬱が出来上がりました。
どうにもならない、おしまいの話です。ご自身の体調とよく相談しながらお楽しみください。



---- 注意事項 ----

・本作はKaC編集部様主催・TRPGシナリオ投稿企画「70年後の追憶」参加作品です。作品の一部に、パブリックドメイン作品『銀河鉄道の夜』（宮沢賢治）の引用を含みます。

・本作には実在する病気に関する描写がありますが、現実の人物や団体、症例とは一切関係がなく、偏見や差別を助長する意図はありません。描写を真に受けず「この世界ではそういうことになっとるんやなあ」程度で受け流し、現実の病気は現実の医師に従って行動していただくようお願い申し上げます。

・基本的に救いがないので、ご自身の体調とよく相談しながらお楽しみください。KP、プレイヤーともに精神的負担を感じたらすぐにプレイを中断してください。筆者は救いのない物語が大好きです。よろしくお願いします。

 　 
 
・本作は探索者と仲の良い、出来れば恋人以上の関係性のKPCと会話しながら進むシナリオです。謎解き要素はほとんどなく、物語性を重視しています。

・KPCの口調や行動など、改変は自由です。シナリオの結末やエンド分岐についても改変して構いませんが、改変によりプレイ体験が損なわれたとしても、筆者は責任を負いません。

・クトゥルフ神話TRPG（第六版）に則る部分は【六版】、新クトゥルフ神話TRPG（第七版）に則る部分は【七版】と記載します。

・「{KPC}」を波かっこつきでKPCの名前に置換すると、イイカンジになります。



---- こんな人におすすめ ----

・探索者とKPCで宇宙旅行に行きたい
・いちゃいちゃしている探索者とKPCが見たい
・『銀河鉄道の夜』にインスパイアされた美しい情景描写を楽しみたい
・決まった個所に技能を振るというより、ロールプレイに合わせて自由に探索したい
・正解のない問いに苦しみたい


 
---- ネタバレなし導入 ----

ごうん。低い音で、目が覚める。
ゆるやかに目を開くと、探索者は見覚えのないソファにもたれて眠っていた。
辺りを見回すと、{KPC}が向かいのソファに背を預け、半開きのカーテンから窓の外を眺めている。
部屋も景色も薄暗く、よく目を凝らさないと周囲の様子は確認できないだろう。



---- クレジット ----

『ヴェスペルティリオ・テレスコピウム』作／ゆにばんＧ　2023年12月9日
（https://yunibangnoomise.wixsite.com/my-site/vespertilio-telescopium ）

本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION　「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」


「新編　銀河鉄道の夜」新潮文庫、新潮社1989（平成元）年6月15日発行（青空文庫より 
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/456_15050.html ）


 
---- 利用規約・よくあるご質問 ----

https://yunibangnoomise.wixsite.com/my-site/userpolicy 

何か質問などがございましたら、ゆにばんGのおみせ  お問い合わせページ
（https://yunibangnoomise.wixsite.com/my-site/otoiawase ）でご連絡ください。



---- 改訂履歴 ----

2023／12／09　ver.1.0：作成
2025／04／25　ver.2.0：クレジット更新、書式ブラッシュアップ、六版対応、一部ダイスロール・ステータス調整
2026／01／29　ver.2.1：ココフォリアルームの再追加、軽微な修正（一括置換は悪）



 











＊＊＊　これ以降はシナリオのネタバレを含みます。セッション予定を控えた方は先に進まないでください。　＊＊＊














 
【KP情報】

---- 注意事項 ----

・【重要】本作は「探索者が『（若年性）アルツハイマー型認知症』に罹る」という趣旨のシナリオです。
実在する病気であり、特にご家族など、身近に罹られている方がいらっしゃる場合もあります。
プレイヤーにとって「PCを通して体験する」ことはもちろん、KPにとっても「描写を読み上げる」こと自体が、心理的負担に繋がる場合があります。

■	KP、プレイヤー（サブKPを立てる場合はサブKPにも）は、「つらい描写があるかもしれないが大丈夫か」と、よくよく事前確認してください。脅しすぎなぐらいが丁度良いです。
■	事前確認の段階で、病名を具体的に伝えても良いです。
■	セッション中も、いつでも休憩、中断が可能な状態を保ってください。勢いで進めすぎないよう、ご注意ください。
■	KPも、セッション中つらい気持ちになったら、いつでも休憩、中断をしてください。
■	描写の内「ここは読み上げるのはしんどいかも」「やめた方がいいかも」と思った部分は、遠慮なく省いたり、優しく改変したりしてください。

あくまでゲームとして楽しめる範囲で、セッションを行なってください。
シナリオで発生したトラブルについて、筆者は責任を取ることが出来ません。
どうか心理的に安全なプレイ体験を構築出来るよう、ご協力お願いいたします。
（文章の意味がよく分からない場合は、身近な人に相談してください。）

・KPCは探索者と親しい設定でさえあれば、KPの探索者ではなくとも構いません（ステータスがなくてもOK）。またKPCは死亡キャラクターでも成立しますが、より救いがなくなります。
最後にはKPCの姿をしたものを殺さないと、生還できないシナリオです。

・イチャイチャしてほしい一心で、KPCと探索者は結婚している前提でシナリオを執筆していますが、「KPCが探索者を介護している」ことに違和感がない設定であればなんでも良いです。
恋人や夫婦でなくとも、家族や親友、遠戚関係などでも良いでしょう。
そのように改変する際は、結婚指輪や口説きに関する描写は省いて構いません。


 
---- シナリオ背景 ----

▶	概要
≪狂気を食べるもの≫通称ゴグ＝フールと呼ばれる、逆さの世界に住んでいる神話生物がいます。
青い目がたくさんついており、灰色の触手を大量に生やしていて、鏡や水面などの反射面に現れます。精神疾患や狂気を患った者に目をつけ、悪夢を送り込み、その精神を食べるものです。
『クトゥルフ神話TRPG　マレウス・モンストロールム』p.171参照（新版の方にはいないです）。

本作では、何らかの因果で探索者に目をつけた≪狂気を食べるもの≫が「こいつまだ狂いきってないな～よし狂わせるか！」と長い長い悪夢を見せ、生きる意志を折ろうとしてきます。
≪狂気を食べるもの≫は、探索者の記憶やKPCの言動、夢の風景全体を統括していますが、直接の姿は鏡や水面越しにしか現れません。
時折、探索者自身の潜在意識が抵抗して「これは現実ではない」「夢から醒めないと」と語りかけて来ます。これがシナリオクリアのヒントになります。
≪狂気を食べるもの≫が最もリソースを割いている『悪夢の本体＝KPC』を殺せば、探索者は悪夢および≪狂気を食べるもの≫の支配から脱出することが出来ます。
直接KPCを殺しても、反射面越しに殺しても同じです。


▶	悪夢について
シナリオ中のほとんどのシーンは「70年後の未来、アルツハイマーの探索者と、その介助者であるKPCは熟年夫婦だ」という設定の悪夢です。
実際には探索者はアルツハイマーになっていませんし、70年後の未来に飛ばされてもいません。
アンチエイジング技術が発達した未来（という設定の悪夢）なので、年齢に反して、二人の見た目は老けていません。
また、人類全体の寿命も伸びており「人生300年時代」と言われている未来（という設定の悪夢）なので、元から探索者あるいはKPCが老人だったとしても、問題なく元気に過ごしています。
その他、惑星間移動に1日もかからない、土星や天王星や冥王星に生身で降り立つなど、現実と異なる不自然な点が多くありますが、全て≪狂気を食べるもの≫のガバです。筆者は悪くありません。

 
▶	KPCについて
シナリオ中のKPCは≪狂気を食べるもの≫が見せる完全な幻覚であり、実際のKPCとは何も関係がありません。
ですが、≪狂気を食べるもの≫は自動エミュレートしている（逆に言うとそれだけで特定方向に思考を誘導しようとはしていない）（あくまで探索者自身が折れるのを待っている）ので、基本的には完璧にKPCの再現が出来ます。そのためラストシーン以外は、ほぼボロを出しません。神話生物ってすごい。
「もし同じシチュエーションに放り込まれたら、本物のKPCもこのように行動するだろう」という行動方針、ロールプレイ方針で構いません。
KPは≪狂気を食べるもの≫が何を考えているか、などをあまり深く考えなくて良いです。


▶	エンド分岐について
ED.1の場合、≪狂気を食べるもの≫は、悪夢に飲み込まれてくれない、潜在意識の警告を受け入れた探索者からは手を引き、別の獲物を探しに行きます。
ED.2の場合、≪狂気を食べるもの≫は、罠に嵌ってまんまと悪夢の中で自殺し、弱まった探索者の精神を「待っていました」と言わんばかりにおいしくいただきます。
ED.3の場合、≪狂気を食べるもの≫にしっかり発狂させられた探索者は、これまたおいしくいただかれます。

おいしくいただかれた場合、現実の探索者は、寝不足で倒れたきり、頭の打ち所が悪く意識を回復させないままです。
≪狂気を食べるもの≫は、蝎（さそり）を捕まえたイタチのように、一時的に飢えを満たすでしょう。
しかし再び飢えが訪れたなら、別の命を喰らうために、似たような事象を引き起こします。
蝎一匹を喰らったところで、この先ずっと飢えないわけではないからです。

ロスト救済については、
ED.2の場合、目を覚まさないだけなのである程度容易（かもしれない）ですが、
ED.3の場合は＜正気度＞が0になってしまうので、仮に復活できたとしても、後遺症は避けられないでしょう。


 
---- シナリオの流れ ----

筆者メモ：大体≪狂気を食べるもの≫が見せる悪夢のため、いずれのエンドでもKPCは生還です。

【導入】
・KPCと二人で見知らぬ部屋にいる、KPCと結婚している、宇宙にいる
【探索１：土星】
・潜在意識からの警告、探索者は認知症だと分かる
【探索２：天王星】
・メモリーチップとは何か、オルゴールに鍵付き引き出し、≪狂気を食べるもの≫による干渉、天体観測
・現実世界に一瞬戻る
・風呂場での≪狂気を食べるもの≫の干渉、潜在意識による抵抗
・鍵のネックレスで引き出しを開く、遺言のメモリーチップと拳銃
【探索３：冥王星】
・KPCも探索者も追い詰められていく
・KPCが遺言を聞き泣き崩れる、≪狂気を食べるもの≫に自殺を強要される、潜在意識による抵抗

　～ここまで一本道～

【エンド分岐】
▶　KPCもしくは窓を撃つ
・≪狂気を食べるもの≫の最後っ屁
　▶　＜正気度＞喪失に耐える　……ED.1。探索者、生還。KPC、生還。

▶　探索者自身を撃つ　……ED.2。探索者、ロスト。KPC、生還。

▶　何も撃たない
・＜正気度＞全喪失

▶　シナリオ中に＜正気度＞を全て失う　……ED.3。探索者、ロスト。KPC、生還。



 
【導入】

＜正気度＞喪失0／1。

筆者メモ：≪狂気を食べるもの≫に目をつけられた探索者は、長い悪夢を見始め、眠りにつくたび＜正気度＞喪失0／1を行います。プレイヤーには＜正気度＞喪失の理由を伏せたまま進行します。


---- 目覚め ----

ごうん。低い音で、目が覚める。
ゆるやかに目を開くと、探索者は見覚えのないソファにもたれて眠っていた。
辺りを見回すと、{KPC}が向かいのソファに背を預け、半開きのカーテンから窓の外を眺めている。
部屋も景色も薄暗く、よく目を凝らさないと周囲の様子は確認できないだろう。


▶	直前の記憶を思い起こす
眠る前に何をしていたのか思い出せない。記憶に靄がかかったようにぼんやりとしている。


▶	窓の外を見る
断続的な光が、一本の線のように連なって、ひゅう、ひゅう、と流れていく。
高速道路を走る時の、トンネルのライトのようだ。


▶	探索者自身を見る
見覚えはないが、自分の好みらしいカジュアルな服装をしている。
また、これも見覚えはないが、小さな鍵のネックレスをしている。

 
▶	KPCを見る
窓の外、遠くを見つめる{KPC}は、どことなく大人びて、やつれているようにも見える。
その頬には一筋涙が伝っていて、ぼんやりと、綺麗だ、なんて探索者は思うだろう。


▶	音をよく聞く
ごうん、ごうん、と、大きな機械が動いているような低い音が、断続的に響いている。
じっとしていると、この部屋そのものが細かに振動していると分かる。何かの乗り物なのだろうか？


▶	部屋の中を見る
そこら中に旅行グッズが溢れており、ごちゃごちゃと散らかっている。床には毛布、タオル、歯ブラシ、着替え。机の上には、未開封の軽食、飲みかけのジュース、付箋だらけの観光雑誌など。
どれも見覚えはないが、探索者あるいは{KPC}の趣味らしいチョイスのものであることは分かる。


▶	雑誌を読む
開いたページには『定番の土星土産はやっぱりコレ！　スペースデブリ・ドーナツ』と書かれていた。滑らかでシンプルな、銀色に輝く土星の輪をモチーフに、砂糖をまぶしたドーナツのようだ。


▶	立ちあがろうとする、KPCに声をかける
「ふわ〜……起こした？」
一つ欠伸をして、目元を拭った{KPC}が話しかけて来る。

筆者メモ：セリフは柔らかめの俺口調で統一していますが、KPCの性格によって自由に変えてください。


 
---- 熟年夫婦 ----

▶	KPCと会話する
「今どの辺りかな」
{KPC}はカップを手に取り、ストローからずご、とジュースを飲む。
その片手間にポンと空中を叩くと、SF映画で見るようなホログラムのスクリーンパネルが、空中に表示される。それを見て、何やらふむふむ、と頷いているようだ。

▶	パネルの内容を見る
難しい数式や図形がたくさん表示されていて、すぐには理解できそうもない。

筆者メモ：航路が表示されていますが、探索者は症状が進んでいる、かつ70年後の技術に疎いので、原則何なのかは読み取れません。


▶	KPCを観察する、KPCに何を見ているのか尋ねようとするなど
{KPC}の左手がきらり、と光る。その薬指には、滑らかでシンプルな銀色の指輪が嵌められていた。

筆者メモ：当然ながら、KPCは指輪に対して、驚くなどのリアクションはしません。


▶	探索者が指輪に対してリアクションする
手元を見ると、探索者も全く同じ指輪を、左手の薬指につけている。
「ちょうど着く頃か。シートベルトしなくちゃ。少し駆け足だけど、これも買いたいしね」
{KPC}は観光雑誌のドーナツ特集を指差す。


▶	シートベルトをつけようとする
何かのアトラクションか、というくらい頑丈で複雑なベルトが、ソファの端から覗いている。


▶	泣いていた？
「欠伸しただけだよ」


▶	やつれている？
「長旅だったからね、少し疲れてはいるかも」
「でもさっき、ぐっすり寝られたから大丈夫」


▶	ここはどこ？
「そろそろ土星に着くみたい。ぱっと買い物してすぐ戻ってくるから、君はゆっくりしていて」


▶	どういう状況？
「長かった旅行も残り二日か。もうほぼ帰り道みたいなものだけど、せっかくの宇宙旅行だし、最後まで寄り道しながら行こう」


▶	宇宙？　土星？
「あはは。地球にいた頃の夢でも見ていたの？」


▶	この指輪は何？　あなたは誰？
「生涯を誓いあった相手の顔も忘れちゃった？」
これ見よがしにするりと手を繋いでくる。がっちり、恋人繋ぎで、それも熟年夫婦がするようにごく自然に。労わるような、慈しむような愛情が、手つきから伝わってくる。

 
▶	会話を一通り終える
{KPC}は、探索者のシートベルトを手際よくセットし、自分の席に座り直す。
「揺れるから気をつけて」
かちり、と{KPC}が自分のシートベルトを締めた瞬間、部屋が丸ごと、ぐらん、と揺れ、ぐうおん、と大きく唸りをあげる。きいんと耳鳴りが響く中、かん、こんと、先ほど{KPC}が飲み干したカップが床を転がる、間抜けな音がする。

耳鳴りが止んだ頃、しゃっ、とカーテンを開く音がする。{KPC}が探索者の手に、そっと触れる。
「見て、外」
目を開くと、窓いっぱいに、見たこともないような満点の星空が広がっていた。右手には大小様々な大きさの隕石が立ち並び、前方には赤紫のアンドロメダ星雲がもうもうと、文字通り雲を作っている。左手を見れば、氷で出来た環を持つ惑星……土星が、悠然と佇んでいた。

「着陸するよ」
{KPC}が探索者に手を重ねて、ぎゅっと握る。
その瞬間、星空が歪む。まるで台風の中に立っているかのように、Gに押しつぶされる。
吹き飛ばされそうだ、と思うほど強い重力に押されて、なお{KPC}の手は、探索者を離さない。

どん、という衝撃の後、静寂が訪れる。
「買い物、すぐ済ませて来る。迷子になっちゃうから、外には出ないでね」
ばしゅ、とシートベルトがひとりでに外れると、{KPC}は慌ただしく部屋を出て行ってしまった。



 
【探索１：土星】

---- 部屋の中 ----

部屋はしんと静まり返る。窓の外は、先ほどとは違い、明るくなっている。


▶	窓の外を見る
窓の外を見ると、だだっ広い砂漠が地平線の彼方まで続いていた。朝靄が立ち込める空に、小さな隕石群が列をなして浮いていて、巨大な虹のように頭上を通っている。
ちょうど土星の環を下から見れば、こんな風に見えるだろう。
砂漠にはちらほらと、車のようなロケットのようなよく分からない乗り物が停められている。駐車場なのだろうか。


▶	部屋を見る
着陸の衝撃で、観光雑誌や着替えなど、あらゆる荷物がひっくり返っていた。
先ほど転がって行った空のジュースも、床に横たわっている。調理スペースには食器や宇宙食が山のように積まれており、目も当てられないほど散らかっている。
他に、{KPC}が出て行った金属製の扉と、トイレマークのついた木製の扉がある。


▶	観光雑誌を詳しく読む
付箋がべたべたと貼りたくられており、ミミズのような読めない文字がたくさん書かれている。
ミミズ文字の下に、時折{KPC}の文字で「いいね！」「行きたい！」などと書き足されている。

 
▶	後ろの方を読む、雑誌に＜目星＞レギュラー成功など
読み進めて行くうち、『家族の笑顔が咲く　たんぽぽ園　～冥王星で心穏やかな余生を～』という有料介護施設の広告のページで、手が止まる。
付箋は貼られていないが、ページの端を折って、目印にしているようだ。

筆者メモ：単なる豆知識ですが、冥王星の日2／18の誕生花がたんぽぽです。


▶	ペンを探してものを書こうとする
ペンはすぐに見つかるが、手が震えて上手く書けない。ミミズのような文字になってしまう。

筆者メモ：雑誌の付箋と同じミミズ文字だと気づいて良いです。


▶	雑誌の出版年数を調べる
自分の記憶よりも、70年ほど未来の日付だ。
＜正気度＞喪失0／1。


▶	木製の扉に入る
バスルーム一体型の、ビジネスホテルのようなトイレ。
清潔感はあるが、ここにもごちゃごちゃと探索者や{KPC}の私物らしいものが散乱している。視線を上げれば、洗濯竿に二人分の下着が乾かされている。


▶	鏡を確認する
記憶通りの顔だ。突然老けたり、若返ったりはしていない。
服に見覚えはないが、自分の好みらしいカジュアルな服装をしている。
また、これも見覚えはないが、小さな鍵のネックレスをしている。


▶	部屋を見回す、部屋に＜目星＞レギュラー成功など
部屋の中央の、小さな箱が目に留まる。


▶	箱を手に取る
星空の中に蝎（さそり）の意匠があしらわれた小さな箱だ。見た目に反して、ずしりと重みがある。

筆者メモ：PCが開けようとしていたら、開く前にKPCに声をかけさせましょう。


 
---- 迷子 ----

▶	金属製の扉を開ける、車内の探索を終える
がちゃり、と金属製の扉が開く。
「ちょっと、来て」と{KPC}が顔を覗かせ、手招きをする。外に出ても平気なのだろうか？


▶	ついていかない
「いいから来て」と、{KPC}は少しむっとして、無理やり探索者を引っ張る。


▶	ついていく
{KPC}に連れられ船を降りると、砂漠のど真ん中、唐突にショッピングモールが建っている。飲食店や洋服店、雑貨屋にゲームコーナーと、たくさんの人で賑わっているようだ。

しかし{KPC}は、くるり、と方向を変える。
探索者は手を引かれるまま、雑木林のような、木々が固まって生えている場所へ連れて来られる。
道らしい道は見当たらないが、{KPC}は遠慮なくそこへ、がさがさと草木を分けて踏み入る。
人が立ち入る場所ではない気がして、探索者は不安を覚える。
{KPC}は茂みの真ん中で立ち止まる。探索者を引き寄せ、耳打ちする。

「これは、もしもの話。現実ではない、夢の話。どうにもならない、おしまいの話」
「悪夢からは、早く目を覚まさなくちゃ」

何を言っているのか分からず、きょとんとする探索者だったが、それ以降声は続かなかった。
というより、{KPC}の気配ごと消えてしまった。
顔を上げると、{KPC}の姿はどこにもなかった。
探索者は突然、見知らぬ惑星に一人、取り残された。行く宛も、戻る道も、分からない。
＜正気度＞喪失1／1D3。

筆者メモ：潜在意識の警告です。≪狂気を食べるもの≫に勘づかれたので姿を消しました。


▶	＜聞き耳＞、【六版】＜アイデア＞、【七版】＜INT＞レギュラー成功
{KPC}の声が、いつもより低かったような気がする。


▶	＜正気度＞喪失を終える
がさがさと、足音がする。
「ここにいたの！」
息を切らした{KPC}が、茂みをかき分け現れる。
「船に戻ったら姿が見えなくて、でも店の方には見当たらなくて。そうしたら駐車場の人が、ここに誰か入って行くのを見たって……見つかって本当に良かった」
泣きそうな{KPC}の腕は、草木で切ってしまったのか切り傷を作っていて、赤い血が滲んでいた。
「外に出ちゃダメって、忘れちゃったんだね」
決して責めるような声色ではなく、心の底から心配したという様子だった。
{KPC}は探索者を優しく抱き寄せ、こつんと額を合わせて、頬に軽くキスする。
「無事で良かった。船に戻ろう」


▶	KPCに話しかける
「うん、そっか。ごめん。俺が悪かった。もう一人にしたりしない」
あまり聞く耳を持ってもらえない。
子供でもあやすかのように、背中をとんとんと叩かれ、手を強く握られる。


▶	茂みを出る
茂みを出ると、ちょっとした人だかりが出来ていた。
{KPC}は、目撃者らしい人物にぺこぺこと頭を下げる。
「見つかって良かったですね。一人でふらふらっと出て行かれたので、おかしいと思ったんです」
振り返ると、茂みの方角には『酸素供給用グリーンゾーンにつき立ち入り禁止』と書かれた大きな看板があった。{KPC}らしき人物に手を引かれていたとはいえ、何故気づかなかったのだろう。


 
---- からっぽの処方箋 ----

▶	船に戻る
手を引かれ、船に戻る。
{KPC}は買い物袋や旅行グッズが散らばった室内から、さっとポーチを拾い上げる。中から消毒液とガーゼを出し、先ほど作った切り傷に当てる。
「いったあ……宇宙旅行に行ける時代なのに、しみない消毒液ぐらい、出来ないものかな」


▶	手当てさせてほしい
「そう？　うん……じゃあお願い」
素直に救急ポーチを渡される。


▶	＜応急手当＞、または【六版】＜DEX＞1/2、【七版】＜DEX＞ハード判定に成功
少々不格好だが、手当することが出来た。
「ありがとう」
不器用に貼られたテープを直しながらも、{KPC}は嬉しそうにお礼を言う。


▶	＜応急手当＞、または【六版】＜DEX＞1/2、【七版】＜DEX＞ハード判定に失敗
テープが絡まって、上手くガーゼを貼れない。
「ありがとう。もう大丈夫だよ」
不器用に貼られたテープを直しながらも、{KPC}は嬉しそうにお礼を言う。

 
▶	手当を終える
「そうそう。雑誌のドーナツ、買ってきたよ」
手当を終えた{KPC}は、『スペースデブリ・ドーナツ』と書かれた紙袋をがさごそと漁る。
そこへ突然、ぴろぴろぴろ、と、どこからともなくアラームが鳴る。
「あ、もう時間か。いつものやつ、やらないと」
{KPC}が思い出したように言うが、いつものやつ、と言われても、探索者にはぴんと来ない。
「いつものやつ。ほら、オルゴールに入れている……おっと」
ドーナツを落としそうになった{KPC}は、つい、と散らかった部屋の中央を見る。そこには、小さな箱があった。


▶	箱を手に取る
星空の中に蝎（さそり）の意匠があしらわれた小さな箱だ。見た目に反して、ずしりと重みがある。


▶	箱の蓋を開ける
蓋を開けると、ぽろろん、と柔らかな音が流れ出す。
中には、くしゃくしゃに丸まった、からっぽの処方箋袋が入っていた。


▶	音楽系の技能、または【六版】＜知識＞1/2、【七版】＜EDU＞ハード判定に成功
アントニン・ドヴォルザーク、交響曲第九番『新世界より』第二楽章『ラルゴ（家路）』だ。


▶	処方箋を読む
自分の記憶より70年未来の日付と、『リバスチグミン 18mg 一日一回貼り換え』と書かれている。

 
▶	処方箋に＜医学＞＜薬学＞レギュラー成功
アルツハイマー型認知症の進行を抑制する貼り薬の一種だ。
処方可能な最大量であり、少なくとも一か月以上、下手すれば数年単位で、この薬を使っていることが伺える。
アルツハイマー型認知症とは、脳が徐々に縮んで記憶や思考能力が阻害され、最終的に単純な日常動作すら出来なくなっていく、不可逆性かつ進行性の病だ。
＜正気度＞喪失1／1D3。


▶	処方箋を確認する
「お薬……あれ」
覗き込まれると、処方箋袋が空であることがバレてしまう。
「旅行用に二週間分は用意したはずなんだけど……」
「枚数、間違えちゃったかな。お医者さんに連絡しておくね」
{KPC}は怒るでもなく、スクリーンパネルを起動して、つととと、と片手で何かを入力すると、あっという間に画面を閉じた。
「これでよしと。家に着く頃に、届けてもらうことにしておいた。一日、二日くらいなら、貼らなくても大丈夫だよ。多分」
{KPC}は気にしていないように振る舞うが、どこか不安そうにも見える。

 
▶	自分は何か病気なの？
「…………よく聞いて。君はね、アルツハイマーっていう病気なの。脳がゆっくり縮んでいって、いろんなことを忘れたり、考えられなくなったりしていく病気」
「治療法はなくて、お薬は症状が進むのを遅くしてくれるだけ。でも今すぐにいろんなことが出来なくなったり、自分のことが分からなくなったりするわけじゃない」
「……そんな話も忘れちゃうくらい、もう進んでいるんだね。気が付かなくてごめん。俺がもっとしっかりしていれば……」
{KPC}は努めて平静に話そうとする。
「ううん、大丈夫。こうして話も出来るし、大丈夫、大丈夫だから。君はまだ、大丈夫」
{KPC}は自身に言い聞かせるように『大丈夫、大丈夫』と繰り返す。
＜正気度＞喪失1D3／1D4。

筆者メモ：自分で病名を知った場合、ここの＜正気度＞喪失は省いて構いません。


▶	会話を終える
「さて、そろそろ出発しようか。天王星に着くまでは休憩だ」
{KPC}は探索者をソファに座らせ、シートベルトを着けさせる。自分もソファに座ってシートベルトを着けると、スクリーンパネルを操作して、やがて宇宙船は土星から飛び立つ。

ごごごごごう、という振動と轟音が収まると、シートベルトはひとりでに解除される。窓の外を見れば、あっという間に土星は小さくなっている。
「ドーナツ食べても良いし、そんな気分じゃなかったら荷物の整理をしても良いし。またソファでうたた寝しても良いし。ごゆっくり？」
{KPC}はぐっと伸びをして、ドーナツを食べながら、スクリーンパネルをぽちぽちといじり始める。


 
【探索２：天王星】

---- 宇宙船内：探索 ----

筆者メモ：自由行動です。ただし、★は天王星に着くまでに、☆は冥王星に着くまでに、必ず回収させてください。

▶	★　KPCの様子を確認する
ドーナツを片手で器用に食べながら、スクリーンパネルをぽちぽちと触っている。
おもむろに、四角くて黒い、消しゴムのような小さな何かを取り出し、宇宙船の壁に吸い込ませると、ホログラムで写真や動画が表示される。どうやらアルバムを眺めているようだ。時々動画も再生していて、楽しそうな声が聞こえてくる。


▶	★　一緒にメモリーチップを見る
「メモリーチップも整頓しなくちゃね」
{KPC}はメモリーチップと呼んだ、四角く黒い物体を、じゃらじゃらと取り出して漁る。年度別、行き先別にラベルが貼られているようで、そのうちの一つをパッと手に取る。
「これ、オーケストラに行った時のやつだ。何撮ったっけ？　随分昔だから、覚えてないや」
それを宇宙船の壁の凹みに吸い込ませると、動画が再生される。


▶	★　【資料：オーケストラの思い出動画】
撮影しているのは{KPC}だ。何かの売店で買い物をしている、探索者の後ろ姿が映っている。
「おやおや、何かを買っているみたいですね〜。あれは、箱？」
{KPC}が独り言を言う。
会計を終え、カメラに近づいてきた探索者が箱を開くと、ぽろろん、と音が流れ始める。
「わあ、オルゴールだ！　この曲って今日演奏されていたやつだよね。それで？　うんうん、色々入れられるの？　すごい、鍵付きの引き出しまであるんだ！」
探索者が楽しそうに箱を掲げて、動画は終わる。

 
▶	★　動画を見終える
「ああ、オルゴール買った時のやつか！　懐かしいなあ。こっちは何だろう？」
{KPC}は他のメモリーチップも次々と吸い込ませ、アルバムを見返し始める。
地球の水族館でイルカに見惚れたり、金星のビール工場見学で酔ってないと言い張ったり、火星の映画撮影村ではしゃいだり……動画の中の二人は本当に楽しそうだ。
「いろいろ行ったね。これからも、いろんな場所で思い出を作っていきたいね」


▶	★　天王星について
「天王星は自然が豊かな星なんだ。結構色々行けるけど、どこに行きたい？」
観光ガイドを広げると、{KPC}の字でいくつかチェックされている。


▶	★　【資料：天王星観光ガイド】
1：クレーターに出来た湖畔
2：切り立つ谷で地層見学ツア
3：標高8000mの雄大な滝
4：鑑賞用グリーンゾーン（樹木）
5：鑑賞用グリーンゾーン（花畑）
6：水平線まで続く塩湖

筆者メモ：迷ったらダイスで決めて構いません。観光地ごとの描写も後述しますが、この選択で処理が分岐することはありません。複数個所回っても結構です。

 
▶	★　服装について
「今の格好はカジュアル過ぎるかな？　せっかくの観光だし、おしゃれして行こうか」
{KPC}が示す先を見ると、探索者の分らしい服がまとめられている。一通り探してみれば、自分好みの服が見つかる。
「よいしょっと」
{KPC}は探索者に背を向けるだけ向けて、その場で着替え始める。


▶	バスルームで着替える
{KPC}は特に気にした様子もなく、探索者を見送る。

筆者メモ：【探索１：土星】---- 部屋の中 -----▶木製の扉に入る　を参照してください。


▶	★　着替えようとする（【六版】＜DEX＞×5、【七版】＜DEX＞に挑戦）
袖を通して、胸元のボタンを止めようとする。
しかし、どこへ袖を通せば良いのか分からない。
どの穴にボタンをかければ良いのか分からない。
この程度のこと何も考えずとも出来たはずだ、と気持ちばかりが焦って、頭の中で結びつかない。


▶	★　【六版】＜DEX＞×5、【七版】＜DEX＞失敗
「……ちょっとだけ、手伝わせてもらっていい？」
とっくに着替え終えた{KPC}が手を貸す。半分しか着ることの出来ていない探索者の襟元を整えて、ボタンを止めながら、優しく語りかける。
「大丈夫。出来ることを、一つずつやればいい。うん、よく似合っているよ！」

 
▶	★　【六版】＜DEX＞×5、【七版】＜DEX＞にレギュラー成功
なんとか着替えられた。振り向くと、とっくに着替え終えた{KPC}が待っていた。
「よく似合っているよ……あ。ちょっとだけ、ごめんね」
{KPC}はすっ、と探索者の胸元に手を伸ばして、ボタンを留め直す。
「ボタンの掛け違えくらい、誰にでもよくある、よくある」

筆者メモ：クリティカルでも、イクストリーム成功でもボタンは掛け違えます。


▶	☆　オルゴールの鍵付き引き出しを確認する
オルゴールの背中側に、小さな鍵穴がある。柄に隠れて見えづらいが、引き出しがあるようだ。


▶	☆　鍵のネックレスで開く
かちり、と小さな音がして開く。
だが『{KPC}に見られたくない』と咄嗟に感じ、閉じてしまう。
胸がざわめく。{KPC}がいない場所でないと、落ち着いて中身を確認出来ない。


▶	☆　KPCがいないところ（バスルームなど）で引き出しを開く
中には、四角く黒い消しゴムのような物体と、一丁の拳銃が入っていた。


▶	☆　四角く黒い物体を見る
ラベルに、ミミズのような震えた字で何か書かれている。
なんとか『{KPC}へ』と読める。

 
▶	☆　動画の再生を見ている場合
{KPC}が再生していた、写真や動画を収めるメモリーチップと同じもののようだ。


▶	動画を再生しようとする
{KPC}の前で再生するのは気が引ける。一度、一人で中身を確認するべきだろう。


▶	拳銃を見る
夫婦水入らずの旅行には似つかわしくない、重みのある拳銃。実弾が一発だけ込められている。


▶	KPCに引き出しの中身を見せようとする
ダメだ、と直感的に思う。これは{KPC}には見せてはいけない。
何故持っているかも覚えていないのに、不安にさせるようなことは避けるべきだ。


▶	荷物の整理をする
お土産や着替えの溢れかえる中、荷物を整理していると、無造作にゴミ箱へ捨てられた、使い古した手帳が目につく。

 
▶	使い古した手帳を開く
自分の記憶より70年後の週間手帳だ。
最初の方のページには、まばらながら仕事らしき予定や通院予定、『楽しかったこと』『忘れたくないこと』が、探索者の字で記されている。
しかしページが進むにつれ、予定が減って行く。『楽しかったこと』『忘れたくないこと』も、時折何かを書きかけては、上手く書くことが出来ずに、ぐちゃぐちゃと塗り潰されていた。

筆者メモ：シールや色ペンで楽しく飾り立てるのが好きな探索者であれば、前半部分のみ楽しそうに使われている描写を入れても良いでしょう。


▶	手帳の後半ページを開く
後半のメモページを開くと、崩れたミミズ文字で、何度も同じ字を練習していた跡が見つかる。『{KPC}』『{KPC}』『{KPC}』……どうやら{KPC}の名前を書こうとしていたようだ。


▶	ドーナツを食べる
滑らかでシンプルな、銀色の砂糖をまぶしたドーナツに、大きな口を開けてかぶりつく。
「定番土産なだけあって、おいしいね！」
土星の氷の環をモチーフにしているだけあって、どことなくひんやりした食感だ。


▶	ドーナツ以外の食事を摂る
「今はしょっぱいものの気分だった？　何が残っていたかな……どれが良い？」
そう言いながら、いくつか宇宙食の袋を渡される。どれも探索者の好きそうな物ばかりだ。当たり前にそれが差し出されることに、本当に夫婦なのだという実感が湧いてくる。

筆者メモ：手料理が食べたいと言えば作ってくれます。

 
▶	自分で料理しようとする（【六版】＜DEX＞1/2、【七版】＜DEX＞ハード判定）
山積みされた食器や宇宙食を退かして、料理を試みる。
しかし調味料はどこにあるのか、袋をどう開ければ良いか分からずに、まごつく。


▶	【六版】＜DEX＞1/2、【七版】＜DEX＞ハード判定に失敗
「ちょっと、危ない！」
ぼうっとしていたのか、IHコンロに手をつきそうになった。
「料理は俺がやるから、ね」
しばらく台所に近寄らせてもらえなさそうだ……。


▶	【六版】＜DEX＞1/2、【七版】＜DEX＞ハード判定に成功
ちょっと焦げてしまった。
「……うん！　作ってくれてありがとう。食べても良い？」
{KPC}は探索者が作った料理を全て盛り付け、次々に平らげて行く。
「美味しいよ。愛情が染み入るなあ」


▶	料理を食べる
味付けが濃すぎる。あまり好みの味とは言えない。


▶	料理を食べるKPCに＜目星＞＜心理学＞などレギュラー成功
本心から美味しいと思って食べているようだ。

筆者メモ：KPCは歳を取って味覚の好みが変わっています。それと、何より愛情は最高のスパイスなので、KPCは「探索者が一緒に楽しく食事してくれること」自体が嬉しいのです。

 
▶	食事を進める
「こぼれているよ」
{KPC}は自然な所作で探索者の口元を拭う。まるで、今までずっとそうしてきたかのように、ごく当たり前のことのように。自分の顎に触れると、確かに口からこぼれていたようだ。気が付かなかった。『気が付かなかった』ということに、気が付いた。
{KPC}は少し目を細めて、優しく探索者を見つめた後、自分の食事に戻る。


▶	習得済みの呪文を唱えようとする
喉元まで出かかっているのに、正しい詠唱方法が思い出せない。

筆者メモ：既に≪狂気を食べるもの≫の術中なので、神話的な力は引き出せなくなっています。

筆者メモ：シナリオには特に書きませんが、お好みで探索者のトイレの世話をするKPCなども描写して構いません。


 

---- 宇宙船内：会話例 ----

筆者メモ：ここに書くのはほんの一例です。KPCっぽい言い回しに適宜改変してください。

▶	☆　今の世界について
「生きている間に宇宙進出がこんなに進むなんて、思ってもなかった」
「今や人生300年時代だもん。アンチエイジングも皆やっているし」
「世界は目まぐるしく、あっという間に変わって行く。でも、変わらないこともある。美味しいもの食べたり、旅行したり、愛し合ったり、ね」


▶	☆　旅行について
「急に『旅行したい』なんて言うからびっくりしたよ」
「病気のこともあって、最近ちょっと落ち込んでいるのかなと思っていたけど……旅行の計画をしていただけ、とはね。心配して損した」


▶	鍵のネックレスについて
「オルゴールの引き出しの鍵だよね。大丈夫、中を見たことはないよ」
「いくら夫婦でも、それくらいの線引きはしているって」


▶	探索者について
「仕事、無理に復帰することはないんじゃないかな。君が過ごしやすければ、それでいいと思う」

 
▶	KPCについて
「君と結婚して良かった。数えきれないほどの宝物を貰っている。今こうしている間も」
「苦労していないって言ったら嘘になるけど。でも、君のワガママにはもう慣れっこさ」
「それに良いこともあるよ。君と一緒にいるために、っていう口実で仕事を休める、とかね！」


▶	自宅、帰る場所について
「冥王星のあのおうち、俺はすごく気に入っているんだよね。景色もいいし、静かだし、病院も近いし。お医者さんも薬を届けてくれたりして」
「家賃は高いけど、安心には代えられないな」


▶	結婚生活について
「結婚式、身内で小さくやろうとしたんだけど、結局なんだか大事になっちゃって。最後には全然知らない人まで披露宴に参加していたよね」
「結構喧嘩もした。案外、家具の趣味とか生活リズムとか、合わなくて。その度に家出したりして……なんだかんだ、良い思い出だね」


▶	以前の生活について
「お互い仕事であちこちの惑星を飛び回って。今の家に落ち着くまでは、慌ただしかった」
「会えなくても電話したりチャットしたり、いろいろしたね。惑星間通信って割高だから、一緒にいる方が早いやって、結局すぐ会っていたけど」

 
▶	昔話
「不思議なこともあったよね。オカルトめいた、今思うと信じられないような体験もした。あれは結局、なんだったんだろうね？」

筆者メモ：二人で通過したシナリオの話、何でもない些細な日常の話などを、過去のものとして他愛もなく話します。探索者は（実際にアルツハイマーになっているわけではないため）若い頃、つまり現在時間軸の話は問題なく思い出せます。


▶	部屋は片付けないのか
「ん？　ああ……最近、すぐ散らかしちゃうんだよね。歳は取りたくないもんだ」
「まあでも、どうせすぐひっくり返すから、帰ってからで良いよ」

筆者メモ：KPCは探索者の介助に疲弊しており、生活の細部まで気が回らなくなっています。


 
---- 楽しい旅行 ----

▶	天王星に到着
「そろそろ着くよ。さあ、二人きりの天王星ツアーに、出発！」
シートベルトを着け、轟音と共に着陸する。周囲は雨でも降ったのか、水溜まりが出来ていた。地球の青空とは違う、黄緑がかった不思議な色の空を反射している。

筆者メモ：観光地はどこを選んでも同じなので、好きな場所で遊び倒してください。観光中も、---- 宇宙船内：会話例 ----の内容を話して良いです。


▶	観光地1：クレーターに出来た湖畔
小さな小屋が一軒ぽつんと建てられているだけの、静かな湖畔。
風でわずかに波を作る水面は、天王星のぼやけた空を映している。
なだらかに横たわる丘に、一本杉が長く影を落としている風景は、まるで絵本の世界に迷い込んだかのようだ。
天王星自体が太陽から遠いせいか、少し肌寒いが、酸素濃度や気候を調整するシステムのおかげで、人が過ごすのに支障のない環境に整えられている、と観光雑誌に書かれていた。


▶	観光地2：切り立つ谷で地層見学ツアー
アメリカのグレードキャニオンを思わせる崖の数々。
どことなく湿った空気がしっとりと、ミルフィーユ状の地層を、色鮮やかに浮かび上がらせる。
この崖が作られるまで、一体どれほどの時間が必要なのだろうか？
惑星も人の身体も原子、つまり星のかけらで出来ている、と聞いたことはあったが、こうして地球の大地のような断層を眺めていると、たしかに同じなのかもしれない、と実感出来た。

 
▶	観光地3：標高8000mの雄大な滝
どどどうどどどう、と激しい音を立てて落ちる滝。
ナイアガラの滝も真っ青の巨大な瀑布（ばくふ）が、見渡す限り続いている。
天王星の水の半分はここにあると言われているほどだ。
雄大で迫力ある滝の前に立つと、自分の存在など取るに足らない、ちっぽけなものに思えて来るが、それがなんとも爽快で、心が晴れていくのを感じられた。


▶	観光地4：鑑賞用グリーンゾーン（樹木）
季節の草木が生い茂る、屋外植物園。
一つ一つの木に解説文が展示されていて、宇宙植物の生態系を知ることが出来る。
見慣れた小さな花もあれば、聞いたこともないような変な形の樹木、言い表しようのない摩訶不思議な果物など、眺めていて飽きない。
川のせせらぎに身をゆだねれば、葉っぱが揺れて、涼しい風が通り抜けて行く。


▶	観光地5：鑑賞用グリーンゾーン（花畑）
豪華絢爛に咲き誇る花畑。
さあ、とスプリンクラーが水を撒いて、小さな虹をいくつも作っている。
さわさわと花を撫でる風に揺られて歩くと、天国に来てしまったのではないかと錯覚するほど、心地よく、穏やかで、美しい時間が、ゆったりと流れていく。


▶	観光地6：水平線まで続く塩湖
何もない、本当に何の建物も障害物もない真っ平らな平地が、どこまでも続いている。
薄く水の張った地面には自分たちの姿と、雲ひとつない空が、そっくりそのまま映し出されており、地球よりも遠い太陽を、きらきら、ちらちらと反射させる。
囁く水面がなければ、どちらが本当の現実か分からなくなりそうだ。

 
▶	＜天文学＞、【六版】＜知識＞、【七版】＜EDU＞などレギュラー成功
天王星の自転は98度傾いていて、42年毎に昼夜が入れ替わる。太陽から遠いため、マイナス200度ほどの氷の惑星、だったはずだが……人の手によって開発され、氷が溶け、植物も芽吹き、こうして生身で降り立つことが出来るようになったのかもしれない。
果たしてそれを、天王星の自然の破壊と取るべきか、人類の文明の発展を喜ぶべきなのか、探索者には分からなかった。


▶	KPCが楽しんでいるか確認する
「こっち向いて！　はい、チーズ！」
カメラを提げて、たくさん写真を撮っている。


▶	観光を楽しむ
足元で、ぱしゃり、と音がする。水溜まりを踏んでいたようだ。
探索者は特に考える間もなく、先に進むため、一歩踏み出そうとする。
そこで、ぐっ、と足を取られる。

転びそうになった探索者は、足元を確認する。
何もない。
何もないのに、探索者の足は、まるで何かに掴まれているかのように動かない。

「何かあった？」
{KPC}が声をかける。もう一度力を入れるが、やはり動けない。
不審に思っていると、足をつけている水面が、ぴかり、と青く光った気がした。

「ほら、おいで」
{KPC}に手を引かれると、足は解放され、動けるようになる。
探索者はつんのめって、{KPC}に抱き留められる。
「わっ、あはは、危ないよ」
水溜まりを出ると、青い光はもう見えなかった。

筆者メモ：≪狂気を食べるもの≫が探索者を蝕もうとしましたが、探索者が元気なため、＜正気度＞喪失すら起こせずに、一度引き下がります。この時点では、潜在意識もまだ危機感控えめなので、登場しません。


 
---- 蝎の火 ----

▶	船に戻る
翡翠色と藤色の混ざった夕陽が、ゆるやかに傾いて、宇宙船を淡く照らす。
「日が沈むね。天王星はほとんど横倒しに自転しているけど、ここは赤道近くだから、ほんの少しだけ昼と夜があるんだよ」

「あっ、そうだ」
船に戻った{KPC}は、不意に声を上げると、くるり、と探索者に振り返る。
「天体観測しよう。宇宙から見るのとはまた一味違うし、この辺りは空気が澄んでいるって評判だから」
「望遠鏡、どこにしまったかな？」
{KPC}は散らかった部屋の中で、片っ端から荷物をひっくり返して探し始めるが、見つからない。
「どこだろう……外側のトランクルームかな……」
「ちょっと出たり入ったりするけど、その、外に出ないでね」
「暇だったら、その辺りの本でも読んでいてよ」
そう言って{KPC}は宇宙船の外と中を行ったり来たりし始める。

筆者メモ：ここで---- 宇宙船内：探索 -----、---- 宇宙船内：会話例 ----の情報を出して良いです。


▶	外に出たい、宇宙船から離れたい
また迷子にならないだろうか、と不安になる。

筆者メモ：船を離れる場合、KPCが同行します。


▶	本を探す
オルゴールと同じ、星空柄の本が目に留まる。表紙には『宮沢賢治　銀河鉄道の夜』とある。
栞の箇所を開くと、蝎（さそり）の場面のようだ。

 
▶	【資料：蝎の火】
　川の向う岸が俄（にわ）かに赤くなりました。楊（やなぎ）の木や何かもまっ黒にすかし出され見えない天の川の波もときどきちらちら針のように赤く光りました。まったく向う岸の野原に大きなまっ赤な火が燃されその黒いけむりは高く桔梗（ききょう）いろのつめたそうな天をも焦（こ）がしそうでした。ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔（よ）ったようになってその火は燃えているのでした。
「あれは何の火だろう。あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう。」ジョバンニが云（い）いました。
「蝎（さそり）の火だな。」カムパネルラが又（また）地図と首っ引きして答えました。
「あら、蝎の火のことならあたし知ってるわ。」
「蝎の火ってなんだい。」ジョバンニがききました。
「蝎がやけて死んだのよ。その火がいまでも燃えてるってあたし何べんもお父さんから聴いたわ。」
「蝎って、虫だろう。」
「ええ、蝎は虫よ。だけどいい虫だわ。」
「蝎いい虫じゃないよ。僕博物館でアルコールにつけてあるの見た。尾にこんなかぎがあってそれで螫（さ）されると死ぬって先生が云ったよ。」
「そうよ。だけどいい虫だわ、お父さん斯（こ）う云ったのよ。むかしのバルドラの野原に一ぴきの蝎がいて小さな虫やなんか殺してたべて生きていたんですって。するとある日いたちに見附（みつ）かって食べられそうになったんですって。さそりは一生けん命遁（に）げて遁げたけどとうとういたちに押（おさ）えられそうになったわ、そのときいきなり前に井戸があってその中に落ちてしまったわ、もうどうしてもあがられないでさそりは溺（おぼ）れはじめたのよ。そのときさそりは斯う云ってお祈（いの）りしたというの、
　ああ、わたしはいままでいくつのものの命をとったかわからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときはあんなに一生けん命にげた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああなんにもあてにならない。どうしてわたしはわたしのからだをだまっていたちに呉（く）れてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸（さいわい）のために私のからだをおつかい下さい。って云ったというの。そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。いまでも燃えてるってお父さん仰（おっしゃ）ったわ。ほんとうにあの火それだわ。」
「そうだ。見たまえ。そこらの三角標はちょうどさそりの形にならんでいるよ。」
　ジョバンニはまったくその大きな火の向うに三つの三角標がちょうどさそりの腕（うで）のようにこっちに五つの三角標がさそりの尾やかぎのようにならんでいるのを見ました。そしてほんとうにそのまっ赤なうつくしいさそりの火は音なくあかるくあかるく燃えたのです。

出典：青空文庫 ウェブサイト　https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/456_15050.html 
底本：「新編　銀河鉄道の夜」新潮文庫、新潮社1989（平成元）年6月15日発行


▶	本を読み終える
「あったあった！」
宇宙船外側のトランクルームから、望遠鏡を引っ張り出した{KPC}が、嬉しそうな声を上げる。
「椅子とカセットコンロも出して……マシュマロを焼こう！　暗いから、足元に気をつけて」
{KPC}に手を引かれ、君は外に出る。


▶	天体観測する
天王星の星空には、牛乳を流したように真っ白な天の川が燦然と輝いていた。
そこから溢れ出した五億一百万もの星が、まるで鈴が笑い転げるようにキラキラと瞬き、足元の水溜まりに反射する。
「わあ、すっごい綺麗！」
そんな星の光に囲まれながら望遠鏡を覗き込み、星空鑑賞に勤しむ{KPC}は、子供のように無邪気にはしゃいでいる。


▶	KPCに声をかける
「ここからだと角度的に地球はギリギリ見えないか……」
「あっ、見て、アンタレス。蝎（さそり）座の一番明るい、赤い星だよ」
{KPC}に促されて望遠鏡を覗き込むと、尾がかぎのように曲がった蝎座の真ん中、一際明るい、赤い星が見えた。

筆者メモ：太陽系から見るなら星座の形も概ね変わりないのかな〜という気持ちです。厳密にはちょっと違うと思いますが。

「じゃあそろそろ、マシュマロ焼こうか」
{KPC}は白くてふわふわのマシュマロを串に刺し、ちりちり、とカセットコンロの炎で焼き始める。

「『銀河鉄道の夜』の、蝎の話、覚えている？」
{KPC}は、今にも溶けて落ちそうなマシュマロを、探索者に差し出す。

「あの蝎の話、君はどう思う？」

筆者メモ：一度、探索者の意見を聞きましょう。その後KPCの解釈を語ります。

▶	KPCの蝎解釈例
・「なんか、分かるんだよな。どうせ死ぬなら、せめて輝かしく、みたいなの。誰の役にも立たずに死ぬくらいなら、この身が燃えたって良い。それがどれだけ熱くて、苦しくても」

・「ちょっと可哀想かも。だって悲しいじゃないか。死ぬ前の気の迷い一つで、安らかに眠ることも許されずに、この先ずっと燃え続けるんだ。井戸の底みたいに真っ暗な宇宙で一人……」

・「愛している一人のためなら、いくらでも身を捧げられる。でも、それを顔も知らない『みんな』の分まで、星の一生が終わるまで身を燃やし続けるって、どれくらい苦しいんだろう？」

・「みんなの『さいわい』ってなんだろう。君の考える『さいわい』って何？　俺の『さいわい』は……君の『しあわせ』かな。君が笑ってくれるなら、どんなつらいことでも、へっちゃらだよ」

筆者メモ：この辺りは、KPCの言いそうなことに適宜改変してください。
中身が≪狂気を食べるもの≫であることはあまり気にしなくて良いです。あくまで「幸せな二人の時間」の演出です。

 
マシュマロを頬張りながら語る{KPC}の表情は、どこかやつれて影を落としながらも、カセットコンロの火に照らされて、燃えるような赤色をしていた。
「幸せだな。こんなこと改めて言うのも恥ずかしいけど、俺なんかと一緒にいてくれて、ありがとう」
{KPC}はいつになく真剣な口調で、探索者の左手を絡め取る。顔に息がかかるほど近づいて、薬指の指輪を撫でる。

筆者メモ：思う存分イチャイチャしてください。


▶	天体観測を終える
「ふわあ、さすがに眠いや」
{KPC}は、ねむけまなこをこすりながら、二人分のソファを一つのベッドに組み替える。簡易ベッドが出来上がると、毛布を被って、当然のように探索者に手招きする。

▶	一緒に寝るのはちょっと
「今日は恥ずかしがり屋さんなの？　何もしないよ。一日観光して、くたくただしね……」
{KPC}は言葉通り、半分目を閉じて、今にも眠りに落ちてしまいそうだ。

筆者メモ：いや全然イチャイチャしていただいて構いませんが、一緒に寝たがらない探索者にはそう言い訳してください。


▶	布団に入って眠る
「おやすみ」
そう言いながら探索者の手を握ると、{KPC}はそのまま眠ってしまった。寝顔を眺めていると、探索者にもすぐさま、心地よい眠気が訪れる。

 
▶	夢を見る
甘い夜の香りが途絶え、探索者は微睡みから目覚める。
窓の外からは日が差して、青空が広がっている。
そう、空が青い。ということは、ここは地球だ。
宇宙を旅する夢を見ていたのか、と、いつもの自室で伸びをする。
探索者は、元ある日常に戻っていた。

布団から起き上がる。
朝ご飯を作る。服を着替える。
顔を洗う。歯を磨く。
身支度を整える。靴を履く。
時刻通りに家を出て、正しい道順を進む。
誰にも縛られず、自分の意志で歩く。
たったそれだけのことが、妙に嬉しかった。

足取り軽く、糸杉の街路樹の中を進む。
春の風が、探索者の心を弾ませる。
上機嫌で歩いていると、{KPC}とばったり出会した。出会い頭、ひどく驚かれる。

「すごく顔色が悪いよ。大丈夫？」
そこで意識は暗転する。
＜正気度＞喪失0／1。

筆者メモ：現実世界の描写です。死亡済KPCの場合、最後を別の生存者に置き換えてください。悪夢を見た探索者は一瞬目を覚ましますが、ここから本気を出した≪狂気を食べるもの≫の送る夢に引きずり込まれ、すぐに気を失ってしまいます。

 
---- シャワーと幻聴 ----

▶	目覚める
探索者は再び目が覚めた。
狭くごちゃついた船の中、カーテンの隙間からは、紫色の朝日が差している。
ここは天王星で、地球ではない。
隣で眠る{KPC}の頬には、涙の痕がある。
……今は、寝かせておいたほうが良いだろう。

筆者メモ：ここまでに---- 宇宙船内：探索 ----の☆の情報が出ていなかったら、必ずここで取らせてください。技能なしで出しても良いです。


▶	拳銃とメモリーチップを見つけている
胸がざわざわする。何気なく額を拭うと、ひどく汗をかいていた。シャワーを浴びるべきだろう。


▶	メモリーチップを再生したい
再生内容によっては{KPC}を起こしてしまうかもしれない。今はやめておくべきだろう。


▶	KPCに声をかける
「……ん、外には行かないでね……」
まだ眠たそうだ。

 
▶	シャワーを浴びる
トイレマークの木製の扉に入る。
ビジネスホテルのような、こぢんまりとしたバスルームだ。
服を脱ぐ。今度はきちんとボタンを外せた。そのことに少し、安堵する。
シャワーをつける。ざあ、と水の音に包まれる。生ぬるい温度が、肌を伝う。
鏡を見ると、視界の端が、らん、と青く光った。

目を擦る。もう一度鏡を見る。
気のせいではなく、鏡の中、何もないはずの壁の隅が、青く爛々（らんらん）と光っている。
不思議に思ってその光を眺めていると、そこからずるりと、何かが飛び出して来た。
驚いて、振り返る。しかし、不審なものは、何もない。

ぬめり、とした生暖かい感覚が、肌に触れる。
ぞっとして再び鏡を見ると、ぴかぴか光る青い目をした灰色の蛇が、何匹も何匹も、自分の首に、手に、身体に、巻き付いていた。
感覚だけがひたひたと肌の上を這いずり回り、腕が、胸が、喉が、締め上げられる。
息が苦しい。けれど振り払おうとしても、それが見えるのは鏡の中だけだ。

鏡の中ではたしかに、青い光を放つ蛇に絡め取られ、絞め上げられている。
しかし引き剥がそうとしても、手のひらは空を切り、蛇を掴むことは叶わない。
一人ただ、もがくばかりだ。
＜正気度＞喪失1D6／1D20。

筆者メモ：≪狂気を食べるもの≫ゴグ＝フールが探索者の精神を蝕んで行く様子です。本来ゴグ＝フールは直視すると＜正気度＞1D10／1D100を喪失しますが、まだ探索者の精神が蝕まれきっていないため、蛇のような触手しか姿を現すことが出来ませんでした。そのため控えめな喪失です。

 
▶	【六版】＜STR＞×5、【七版】＜STR＞（対抗ではなくレギュラー判定）に成功
探索者は、なんとか腕を動かしてシャワーヘッドを手に取り、鏡を割る。


▶	【六版】＜STR＞×5、【七版】＜STR＞（対抗ではなくレギュラー判定）に失敗
探索者は、抵抗しようとよろけて、鏡に頭を強く打ち付ける。
鏡が割れる。頭から血が出て、視界が赤く染まる。
＜耐久＞減少2。


▶	鏡を割る
がしゃん！　と鏡が割れる。
尻餅をついて、うずくまる。解放された身体を、一人抱える。
もう肌の上には何も這っていない。何も自分を襲って来ない。青い目の蛇は、もうどこにもいない。
あれは幻覚のはずだ。そう言い聞かせながらも、身体はがたがたと震える。
ざあざあうるさいシャワーの音の奥から、低い、ぼわん、とした声が響く。

「これは、もしもの話。現実ではない、夢の話。どうにもならない、おしまいの話」
「悪夢から逃げないと。悪夢に殺される」

チェロの音色のようなその声が、頭の中で反響する。悪夢から逃げないと、悪夢に殺される。水の音がうるさい。ざあざあ、ざあざあ、ぐるぐる、ぐるぐる、回る。


▶	チェロの声を聞く（発狂ロールを終える）
「大丈夫！？」
バタン、と扉の開く音で、我に帰る。
{KPC}が血相を変えて、バスルームに入って来る。チェロのような声は、もう聞こえない。
「怪我は、」
シャワーを垂れ流し、鏡の破片の中でうずくまっている探索者を見て、{KPC}は服が濡れるのも気にせずに、探索者の肩を抱く。

「ごめん。今度から一緒に入ろうね。もう一人にしないからね……」
{KPC}に強く抱き締められると、少し落ち着く。
＜正気度＞1回復。

筆者メモ：≪狂気を食べるもの≫はこれ込みで悪夢を演出しています。趣味が悪い。


▶	蛇がいた
「大丈夫、ここは安全で、俺と君しかいない。君を傷つけるものはどこにもいない」


▶	落ち着く
{KPC}は探索者の体を拭き、着替えさせる。
「バスルーム、片付けて来るから。絶対外には出ないでね」
外への扉の鍵をしっかりと閉めてから、{KPC}はバスルームに篭る。
二人で眠っていたベッドは、いつの間にかソファに組み直されている。


▶	KPCの様子を確認する
わずかにだがすすり泣く声が聞こえる。今声をかけたところで、強がらせてしまうだけだろう。


▶	KPCを待つ
ぴろぴろぴろ、と船内にアラームが鳴り響く。薬の時間を知らせるアラームだ。
「ごめん、止めておいて！」
{KPC}がバスルームの中から叫ぶ。
部屋を見回すと、ホログラムのスクリーンパネルが空中に表示されており、『ストップ』『スヌーズ』という文字が現れる。

 
▶	『ストップ』を触る
アラーム音が止む。同時に、新着メッセージが表示される。


▶	【資料：新着メッセージ】
『送り主：冥王星よりそい脳内科
件名：メディカルデリバリーサービスのお知らせ
本文：ご利用ありがとうございます。以下の配達内容をお知らせします。
時間……本日夕刻（冥王星時間）
配達内容……リバスチグミン 18mg 一日一回貼り換え　二週間分
伝達事項……必ずご在宅をお願いします。以前にも同じことがありましたが、「薬を自分で管理する」と言ってたびたび失くすということは、ご自身では貼っていないと思われます。毎日かかさず投薬しなければ、症状が悪化することは必須です。命に関わることですので、必ず、介助者様の手で、投薬、枚数管理をお願いいたします。』

メッセージを読み終わったタイミングで、スクリーンパネルごと自動的に閉じられてしまった。


▶	オルゴールのメモリーチップを再生する
かちり、と鍵を回して、メモリーチップを手に取る。宇宙船に読み込ませると、動画が再生される。背景がどこかは分からないが、探索者の姿が映る。短く日付を言った後、音声が続く。

筆者メモ：冥王星の自宅で撮影しています。面倒であれば「恥ずかしいので顔は写さない」などと言わせて、真っ暗な画面にしてしまいましょう。

 
▶	【資料：オルゴールのメモリーチップ】

────これが再生されているということは、自分はもうこの世にいないのだろう。
────でも、どうか悲しまないで欲しい。自らの意志で、死を選んだのだから。

────重荷になるのは嫌だった。自分が、確かに自分であるうちに、終わりにしたかった。
────己が誰かも分からない化け物に成り果てる前に、人間として尊厳のある死を望む。

────最後に。愛している……

{KPC}の名前を最後に、その囁きは途切れた。
メモリーチップの中身は、遺言だった。覚えていないが、以前の自分が撮ったものだろう。
一発だけ弾の込められた拳銃は、このために用意していたのだと、嫌でも理解してしまう。
＜正気度＞喪失0／1。

メモリーチップをオルゴールの引き出しに戻し、鍵を閉める。
オルゴールはずしりとした重みで、探索者の手のひらの上に乗っている。

筆者メモ：遺言は、探索者の性格によって改変してほしい部分です。終盤の慟哭でのKPCのRPにも関わります。探索者ならどんな言い回しになりそうか、プレイヤーに直接聞いてしまうのも手でしょう。

 
▶	メモリーチップが記録された日付を確認する
おそらく、旅行に出る少し前ぐらいの日付だ。


▶	KPCに聞かせたい
そう考えた瞬間、ばくばくと心臓が鳴り、かっと喉が渇いた。手が震える。
{KPC}が傷つく姿を見たくない。
『聞かせるべきだ』と、どんなに強く念じても、身体は動いてくれなかった。


▶	見つからないように捨てたい
いつ{KPC}を完全に忘れてしまうか分からない。
これを撮った時の心境も分からないまま捨ててしまうのは、過去の自分に対してあまりにも無責任だと感じる。

 
▶	メールの確認後、メモリーチップを再生して、オルゴールにしまった
そのタイミングで、{KPC}が風呂場から出てくる。
「掃除終わり。じゃあ、帰ろうか。我が家に」

と、探索者がどこか暗い顔をしていることに気がついたのか、{KPC}は探索者の左手を取り、薬指の結婚指輪へそっと口付けする。
「……君と一緒なら、俺は幸せだよ」
くしゃり、と頭を撫でられ、探索者はソファに座らされる。


▶	風呂場で泣いていた？
「気のせいじゃない？」
{KPC}はどこか寂しそうに笑う。

筆者メモ：昔であれば「お前のせいだバカ」くらい言えたのにな、という気持ちで寂しい表情をしています。


 
【探索３：冥王星】

---- 我が家 ----

▶	天王星を出る
シートベルトを閉め、天王星を後にする。
ごうん、ごうん、と低い音が響く中、{KPC}は黙って窓の外を眺めている。

筆者メモ：基本的に沈黙で飛ばして良い場面ですが、話し足りなければ---- 宇宙船内：会話例 -----などを参照してください。


▶	どれぐらいで到着する？
「距離としては太陽系で一番遠いけど、今は周期的に一番近づいている頃だし、海王星の衛星軌道を利用して加速するから、あっという間だよ」


▶	海王星は行かないの？
「うん。君の旅行計画では行くことになっていたんだけど、これ以上の長期旅行はドクターストップかかっちゃったからね」
「それに今日の夕方、薬を受け取ることになっているから、早く帰らないと。また今度来よう」


▶	薬について謝る
「ううん、君は悪くないよ。自分のことくらい、自分でやりたいって思うのは当然だ」
「俺がもう少しちゃんと、声掛けとか、二重確認とか、していれば良かったんだ」

 
▶	冥王星に着く
どう、と着陸する。窓の外を見ると、緑が生い茂る、長閑な田園風景が飛び込んできた。
畑のあぜ道沿いに、広めの間隔を開けながら、まばらに建物が建っている。もし今まで宇宙旅行をしていなければ、ここは地球だと勘違いしてしまいそうだ。
「地球に似せてあるのは、お年寄り向けの物件が多いからなんだって。何にせよ、緑が多いのは良いことだね」

▶	＜聞き耳＞、【六版】＜アイデア＞、【七版】＜INT＞にレギュラー成功
{KPC}の声には、どことなく悲しみが滲んでいる。多分、以前もした会話なのだろう。


▶	家に帰る
「ただいま！」
{KPC}が宇宙船の扉を開くと、目の前に一軒、家があった。もし老後に住むなら、こんな家がいいと思い描くような、理想の一軒家だ。

「荷物下ろして来るから、ゆっくりしていて。お茶いる？」
{KPC}は玄関を開けると、キッチンから紙パックのお茶を出すだけ出して、慌ただしく宇宙船と自宅を出たり入ったりし始める。

「君は家の中にいてもらってもいいかな。そろそろ、お医者さんから薬が届くはずだから」
そう言う{KPC}の目は泳いでいる。探索者が迷子にならないよう、気を配っている様子だ。

 
▶	リビングを観察する
せっかくの大きな窓が半分埋もれるほど、雑多に物が散乱しており、片付けが追い付いていない。かろうじて足の踏み場はある程度だ。
置かれている小物の中には、探索者が学生時代から大切にしているものも、あるかもしれない。
他にも、お気に入りらしい写真やお土産のようなものに埋もれて、趣味の良い家具があれこれ置かれているが、大体のものには見覚えがない。

筆者メモ：「ここは紛れもなく探索者とKPCの家だ」「しかし何一つ思い出せない」と強く実感させるような演出が出来ると良いです。生活感や二人の思い出の品など、色々出しましょう。


▶	リビングに＜目星＞レギュラー成功
『家族の笑顔が咲く　たんぽぽ園　～冥王星で心穏やかな余生を～』という有料介護施設の入居案内がある。{KPC}の字で、金額や手続きについて詳しく書き込みがされている。

筆者メモ：考えないわけにはいかないので一応調べていますが、まだ入居させる気はないです。


▶	他の部屋を見に行く
洗面所やお手洗いに繋がっているだろう扉の他に、二階への階段などが見える。


▶	二階へ行く
「二階に行くの？　分かった！」
{KPC}の声を背に、階段を上がる。
沢山のアルバムに囲まれた書斎と、キングサイズのベッドがどん、と置かれている寝室がある。

 
▶	書斎に行く
本棚はぎっしりとメモリーチップが並べられており、冊子状のアルバムも相当な数が平積みされている。部屋の中央には、{KPC}が宇宙船で操作していた、メモリーチップの再生機器がある。

筆者メモ：オルゴールの遺言メモリーチップが再生出来ます。宇宙船内で出すタイミングがなかったなどでまだ聞けていない場合、終盤で初めて聞くよりは、一度ここでゆっくり聞いてもらうのをオススメします。


▶	寝室に行く
くたくたのシーツに包まれたキングサイズのベッドが、部屋を占領している。その枕元には、覆いをかぶせた、一輪の薔薇が飾られている。
床には隙間を埋めるように服が散らばる他、壁一面を使った大きなクローゼットがある。


▶	寝室のクローゼットを開く
季節の家具に紛れて、リクライニング付きの機能性介護用ベッドがしまわれている。新品のようだ。使うとしたら、一階に設置するのだろう。今の所そんなスペースは到底なさそうだが。


 
---- 行き止まり ----

▶	家の探索を終える
「この前に渡したパンフレットは読んでいただけましたか？」
知らない人の声がする。外を見ると、女の人と{KPC}が話しているのが見える。

「あ……まだ早いですよ」
「そんなことありません。『長期旅行はこれが最後だと思って』って、ドクターにも言われていたでしょう？　今回、ヘルパーもなしに強行して、大変だったんじゃないですか？」
「向こうから何かしたいって言ってくれたの、本当に久しぶりだったんです。だから、なんとしても叶えてあげたくて」

女性は強い口調で{KPC}を説得しようとする。
「気持ちは分かりますが、このままだと貴方が『燃え尽きて』しまいますよ。そうなれば患者さんは必ず、大切な人が壊れたのは自分のせいだ、とご自身を責めてしまう……」
「それは違う！　ただ俺は、残された限りある短い時間を、少しでも楽しく、長く一緒にいたいだけで」
「貴方がもし倒れたら。その残り短い間ずっと、患者さんは自分を責めてしまうんですよ。ああやっぱり無理させていたんだ、自分が病気になんかなったせいだって、無力さに泣きながら、生涯を終えるんですよ。それでも良いと言うんですか」

「……そんなわけ、ないでしょう」
「ね。患者さんのためにも、介助者さんのためにも。よく、考えておいてくださいね」
女性は立ち去る。{KPC}は、しばらくその場に立ち尽くす。


▶	声をかける、または戻って来るまで待つ
「……怒られちゃった」
{KPC}はへら、と笑う。
「薬、届けてもらったから、貼ろうか」

 
▶	薬を自分で貼りたい
「ごめんね。症状が進んでいるみたいだから、俺に管理してほしいって、お医者さんに言われちゃった。嫌かもしれないけど、我慢してくれる？」


▶	介護施設の案内について尋ねる
「ちょっと見ていただけ。まだ大丈夫だよ、旅行にだって行けるぐらい元気だし」
「お薬なくしちゃったことは、ものすごく怒られたけど……」


▶	家が片付いていない
「ごめん、前から言ってくれているのに、全然整理進んでいなくて」
「なかなか捨てられないんだよね、君との思い出が詰まっているから」


▶	自分はもう離れた方がいい、施設に入るなど
「俺、介護の資格も取ったから。家だってもう少し片付けたら、もっと君が過ごしやすいようにできる。ちょっと疲れていて、最近、片付けられていないけど」
「だから、そんなこと言わないで。俺が一緒にいたいんだ」
「君がいないと、俺、ダメなんだ。俺、が、ダメなんだ」

 
▶	薬を貼ってもらう
{KPC}は探索者の胸元に、貰った薬を貼りながら、躊躇いがちに尋ねようとする。
「ねえ、あのさ……」
しかしその先は言わずに、首を振る。
「やっぱり、なんでもない」

筆者メモ：何を言いかけたのかは、KPのご想像にお任せします（丸投げ）。


▶	慰めの言葉をかける
「……ありがとう」
{KPC}は控えめに、ぎこちなくはにかむ。


 
---- チェロの音 ----

薬を貼り終え、夕食を済ませ、しばし休む。
「ねえ、今回一番良かった写真を選ぼう」
{KPC}は無理に明るく振舞おうとしているようだ。

▶	休んだ方が良い
「う……でも、その。じっとしていると、さっき怒られたこと、思い出しちゃって」
「楽しい旅行だったからさ。楽しい気持ちで、今日、寝たいじゃん」


▶	写真を選ぶ
「二階の書斎にプレイヤーがあるから、そこで再生しよう」
{KPC}に案内され、二階の書斎に連れて来られる。山のようなメモリーチップに、何十冊ものアルバム、膨大な思い出が詰め込まれた部屋の中央、スクリーンパネルに写真や動画がふわり、と浮かび上がる。
「今回もたくさん写真を撮ったね。さて、どれを一階に飾ろうかな」
部屋中に、たくさんの写真が浮かび上がる。
土星の広い砂漠、巡った天王星の観光地。望遠鏡から見た、真っ赤に燃えるアンタレス。
いつの間に撮影していたのか、探索者の寝顔の写真もある。


▶	写真について軽く会話する
「俺の中の一番は、もう決まっているんだけどね。天王星の星空、すごかった。その中に立っている君が、本当に、綺麗でさ……」
「あんまりにもきれいだから、まるで星空に、連れて行かれてしまいそうで……」
ふと、言葉が詰まる。
「……ごめん。ちょっと、お皿洗って来るね。写真、選んでいて」
追いかける暇もなく、だだだっ、と階段を駆け下りる音が、遠ざかって行く。

 
▶	追いかけようとする、写真を選ぼうとする
ふと足を止める。
気が付くと、あなたは見知らぬ書斎の真ん中に立っていた。
部屋中に、ホログラムのような映像機械で、たくさんの写真が表示されている。
どの写真にも見覚えがない。
広い砂漠、どこかの観光地、綺麗な星空、誰かの寝顔。知らない誰かと、知らない誰かの写真。
……何故自分は今、『知らない誰か』の写真を眺めているのだろう？
＜正気度＞喪失1D3／1D6。


▶	＜正気度＞喪失を終える
あなたは突然、強烈な希死念慮に襲われる。
自分の人生はどのような形だったのか？
もっと別の形の人生があったはずではないのか？
自分が意味もなく生き存えることで、誰かの人生を奪ってしまっているのではないか？
そんな疑念に思考を支配される。
その「誰か」が誰なのか、分からないまま、気がつくと、オルゴールの鍵を開き、拳銃を手に取っていた。

 
▶	【六版】＜POW＞×5、【七版】＜POW＞レギュラー判定（成功でも失敗でも）

「違う」

声がする。
探索者は、はっと意識を取り戻し、反射的に拳銃をオルゴールの中にしまいなおす。

鍵を閉め、ネックレスを握り込む。鼓動がいやに逸る。
呼吸を整えていると、不意に後ろから話しかけられる。

「写真、選べた？」
その声は、顔は、{KPC}のものだと分かる。
今は、まだ。
＜正気度＞喪失0／1。


▶	【六版】＜POW＞×5、【七版】＜POW＞レギュラー判定に成功
先ほどの「違う」という声は、チェロの音色のような低い声だったと分かる。


▶	＜目星＞レギュラー成功、もしくはKPCを見ると言及
{KPC}の頬には、泣いた痕がある。


▶	泣いている？
「ちょっと、ね。大丈夫。別に、平気だから」
明らかに強がりだと分かる。

 
▶	自殺をほのめかす
喉が詰まる。
今にも泣きそうな{KPC}の表情を見ていると、そんな残酷なことは言えなかった。


▶	KPCと少し会話する
「……大丈夫？　旅行で少し疲れたのかな。顔色悪いし、今日はもう寝ようか？」
{KPC}が心配そうに提案する。
妙に身体がだるく、ぐったりとした感じがする。
ここは{KPC}の言うことに従って、大人しく眠った方が良いだろう。


▶	眠る
探索者は寝室に促され、寝かされる。
{KPC}はベッドに腰掛け、布団の上から探索者の胸元を優しく叩く。

太陽系の行き止まり、冥府の星。
寝室の窓から見える夜空には、冥王星の第一衛星『カロン』が、巨大な月のようにぽっかりと円を描いていて、周囲の星明りをかき消していた。
真っ黒な墨に塗りつぶされた夜に浮かぶ月光は、どこまでも柔らかく、優しく探索者の枕元を照らす。

「俺は幸せものだ。君と一緒に居られて。君と一緒に生きて来られて」
「たくさん旅行して、たくさん思い出作って。旅行なんか行かなくったって、一緒にご飯食べて、一緒に寝て、毎日喋って、笑って。たまには喧嘩したりして……仲直りして」
「そんな毎日がこれからも続けば良いって、ただそれだけを願っている」

独り言か、語りかけか分からない曖昧な呟きを漏らす{KPC}の表情は、月の光を背に受けて、よく見えない。疲れに瞼が重くのしかかる。眠りに落ちる直前、{KPC}の声を聞く。
「二人でならどこへだって行ける。どこまでだって行ける……だから、」
「だから、どこにも行かないで。ずっと隣にいて。ひとりに、しないで……」
その声掛けに答えることは出来ずに、探索者は眠りへと滑り落ちて行く。

 
▶	夢を見る
探索者は夢を見る。
石炭袋の底のような真っ暗闇の中、チェロの低い音だけが響く。

「これは、もしもの話。現実ではない、夢の話。どうにもならない、おしまいの話」
「悪夢を殺さないと。悪夢に殺される。悪夢に喰われる」

声は遠ざかり、探索者の意識は闇の底へ落ちる。
＜正気度＞喪失0／1。


 
---- 慟哭 ----

▶	目覚める
柔らかなオルゴールの音で、目が覚める。
探索者は、大きなふかふかのベッドで眠っていた。
昨日{KPC}と冥王星の自宅に帰ってきて、このベッドで眠ったことは、覚えている。
ここがどこか、自分は誰なのか分かることに、そっと胸を撫で下ろす。

と、胸元の鍵のネックレスがないことに気がつく。
部屋に{KPC}はいない。
オルゴールの音は、一階から鳴っている。
汗が一粒、背中を伝う。


▶	一階に降りる
半開きの窓から、静かに風がそよぐ。ダイニングテーブルには、オルゴールが置かれていた。
「……勝手に開けてごめん」
その横に並べられているのは、空の処方箋、鍵のネックレス、拳銃。そしてメモリーチップ。

筆者メモ：遺言のメモリーチップを探索者が聞いていない場合、ここで再生させてください。

「勝手に聞いて、ごめん」


▶	逃げ出す
耐えられず、その場から逃げ出そうとする。
{KPC}が探索者の手を掴む。足がもつれる。揉み合いになる。
「ひとりにしないで！」
強く肩を掴まれて、押し倒される。

 
▶	KPCと向き合う
{KPC}は、喉を詰まらせながら話し出す。

「昨日の夜、様子がおかしかったなと思って……」
「いや。君の方から旅行に行きたいって言い出した時から、ずっと様子はおかしかったんだよな。無理に昔みたいに振舞うようになったりして。俺が、それを見ないふりしていただけで」
「……初めて病名を告げられたあの日。まるで世界が止まったみたいだった。体がどんどん冷たくなって、色を失った」
「ずっと怖かった。これ以上悪くなったらどうしよう、君が俺のことを忘れたらどうしよう。俺との思い出も何もかも、全部忘れてしまったら、どうしよう」
「俺はそれに、耐えられるだろうか。たくさん悩んだ。たくさん考えた。そして俺は、決めた」

「最後まで一緒にいると、決めたんだ」

「その悲しみに、俺は耐えられる。耐えてみせる。君と最後まで、一緒にいる」
「なのに……君は俺の決意も知らないで、勝手に、死のうとしていた」

「重荷がなんだ。全部背負う覚悟なんかとっくに出来ている。化け物がなんだ。人じゃなくなったって、生きていてほしい。そんなのは俺の勝手だ。そんなことは分かっている！　でも勝手だって、なんだって……嫌だ！」

筆者メモ：上記の部分は、遺言を改変している場合、遺言に沿った内容に改変してください。

「君を失うことだけは、耐えられない！　一日だって耐えきれない！」
「君を失った世界で、あと200年も生きていけない……！」

「まるでずっとずっと、長い悪夢を見ているみたいだ……」
{KPC}は顔を覆い、泣き崩れた。

 
▶	KPCと少しやり取りする

筆者メモ：KPCは探索者がどんな慰めの言葉を言っても「でも死んじゃうじゃないか」と泣き止みません。多少であれば動いても構いませんが、探索者が拳銃を手に取れる範囲でお願いします。

その瞬間、探索者は動きを止める。
いや、身体の自由が効かなくなる。

「これは、もしもの話。現実ではない、夢の話。どうにもならない、おしまいの話」
「いつか来る別れの話。いずれやって来なくなる明日の話」

チェロの音が頭に響く。
息が出来ない。まるで何かに縛られているかのように、喉が締め上がる。
当然、悲鳴も上げられない。

動けない探索者の手は、勝手に拳銃を拾い、弾を込め、安全装置を外す。
{KPC}は顔を覆い泣きじゃくっていて、探索者の様子には気が付かない。

「違う。これは悪夢だ。この光景は現実じゃない。目の前の悪夢を殺して、目を醒まさないと」
「殺される前に、殺さないと────」

ぶつり、とチェロの音が、途絶える。
青い光が視界にちらつく。
探索者は、自らの顎に銃口を向ける。

 
▶	動こうとする
見えない何かにギリギリと締め上げられており、動けない。かろうじて、視線と指先、手首の角度だけは動かせそうだ。


▶	青い光、窓を見る等の宣言、＜目星＞レギュラー成功
横目で周囲を確認すると、リビングの大きな窓が、周囲の景色を反射して、ぎらぎらと青く光り輝いている。
窓の中、{KPC}がいるべき場所は、青い光が眩しすぎてはっきりと見えない。
しかしそこから、大量の蛇が飛び出していることは分かった。
灰色の蛇たちは探索者の身体に群がり、絡みつき、離さないよう、逃がさないよう、縛り上げていた。
まるで{KPC}が────悪夢が、探索者に執着し、束縛しているかのような風景だった。
＜正気度＞喪失2／1D3+1。

筆者メモ：二回目以降の目撃であること、光りすぎていて全体像が見えるわけではないので、＜正気度＞喪失は控えめです。


▶	窓に向かって撃ちたい
手首の角度のみであれば変えられそうだが、上手く照準を合わせられるだろうか？

筆者メモ：【六版】＜STR＞×1、【七版】＜STR＞イクストリーム成功（対抗ではない）をすれば照準を合わせることが可能です。失敗の場合も特にペナルティはありません。


▶	KPCを撃ちたい
手首をギリギリと捻り、{KPC}に銃口を向ける。記憶にないとはいえ、仮にも夫婦であり、一緒に旅をしてきた{KPC}に照準を合わせ、引き金に指をかける。

 
▶	そのまま自分を撃ちたい
「死んだら、悪夢の思うツボ。悪夢を、{KPC}を殺さないと、殺される」
「それでも、それでも自分は……」
チェロの音に混ざった探索者の声が、どこか遠くから、かろうじて聞こえる。


▶	拳銃を手放したい
この武器を手放せば、どちらにせよ{KPC}の形をした悪夢に、絞め殺されるだろう。


▶	威嚇射撃をした後、KPCを説得したい
身体が締めあがるのと同時に、頭の中も、きりきりと締めあがるのを感じる。
大切なはずの思い出がどんどん零れ落ちて、消えて、失われて行くのが、はっきりと分かった。
残された時間は長くないらしい。
ここにある弾は一発だけ。今決断しなければ、きっと後悔するだろう。


筆者メモ：探索者は三つの選択が可能です。
一つは、KPCもしくは窓を撃つこと。
一つは、探索者自身を撃つこと。
一つは、拳銃を捨てること。
選択を間違えればロストすることを、KPはプレイヤーに伝えてください。

ここは悪夢の中なので、拳銃に関するダイスルールは全て無視して、探索者の意思で引き金を引けば、技能なしで命中することにしてください（窓に向かって撃つ場合のみ【六版】＜STR＞×1、【七版】＜STR＞イクストリームに成功の必要あり）。
あまりに長い間悩んでいる場合、フレーバーとして窒息ロールを振らせても構いません。その場合、脅しとしてのHP減少程度に留め、気絶などで決断が不可能にならないように配慮をお願いします。あくまでプレイヤーに自発的にエンディングを選んでほしい場面です。



 
【エンド分岐】

---- KPC、または窓を撃つ ----

筆者メモ：窓に向かって撃った場合、≪狂気を食べるもの≫に命中するため、どちらにせよKPCの脳天に風穴は開きます。

引き金を引く。
ぱん、という甲高い発砲音に続いて、ばりん！　とガラスの割れる音がする。
赤い血が飛び散る。顔を上げた{KPC}の脳天に、風穴が開いている。

「……ぁ」

かすかに探索者の名を呼ぼうとした{KPC}の瞳が、どろり、と焦点を失い、その場に崩れ落ちた。

不可視の拘束が解ける。身体は自由になる。
悪夢は殺した。{KPC}は死んだ。
額に開いた穴から血が流れている。
瞳は生気を失い、虚空を見つめている。
触れると、すうと体温が失われていくことが分かった。

粉々に割れた窓から、風が吹き込んでくる。
もう何にも縛られていないはずなのに、探索者はただ、その場に立ち尽くしていた。
不意に、がたん、と音がする。

「人殺し」

振り返ると、昨日薬を届けに来ていた女性が、真っ青な表情で立っていた。
＜正気度＞喪失1D3／1D6。

筆者メモ：≪狂気を食べるもの≫の最後っ屁です。この＜正気度＞喪失で0にならなければ生還です。


 
---- ＜正気度＞喪失に耐える ----

不意に、がしゃあん！　と大きな音が鳴る。その瞬間、目の前の光景全てが、粉々に砕け散る。
がらがらと、世界が崩れていく。
探索者は、目を閉じて────

「……ねえ、ねえってば！」
{KPC}の声がする。目を開くと、眩い青空が視界いっぱいに飛び込んでくる。

筆者メモ：死亡済KPCの場合、別の生存者に置き換えてください。

「大丈夫！？　意識、ある！？」
ぼんやりと、半分無意識のうちに頷く。
「声は聞こえているみたいだね。目は見える？」
{KPC}の心配そうな顔が、青空に割り込んでくる。
青空ということは、ここは地球なのだろうか。
「地球？　うんまあ、地球だけど……やっぱりダメかもしれない」
声に出ていたらしく、{KPC}は怪訝な顔をする。
「道の真ん中で急に倒れたから、びっくりしたよ……顔色はひどいし、すごくうなされているし……」
「意識が戻って良かった。とにかく、救急車呼んだから！　それまでは安静に！」

病院に運び込まれたところ、寝不足が祟ったのだろうと診断された。
点滴を打つからあとは家で寝ていなさい、と軽く怒られた。

「しかし頭をぶつけなくてラッキーでしたね」
「打ちどころが悪かったら、最悪、脳に障害が残ったかもしれません」
点滴を打つ医師に言われて、ぎくりとする。
夢だったから良かったものの、もしアレが現実で、あんな幻聴を聞いていたら。
それが正しいと信じてしまえたのなら。

探索者は、{KPC}を、殺せてしまうのだ。

「あれ？　もう、いいの？」
病院を出ると、{KPC}が待っていた。
「さっき地球がどうこう言っていたけど、どんな夢を見ていたの？」

これは、もしもの話。
現実ではない、夢の話。
どうにもならない、おしまいの話。

望遠鏡から見た、遥か彼方の燃える星を想って。
探索者は眩しく、青空を見上げた。


ED.1『ヴェスペルティリオ・テレスコピウム』


▶	クリア報酬
探索者、生還。
＜正気度＞回復3D6。
KPC、生還。


 
---- 探索者自身を撃つ ----

引き金を引く。
ぱん、という甲高い発砲音を最後に、探索者の意識は途切れる。

{KPC}が屈む。探索者の頬を撫でる。
そして柄杓に水を汲み、探索者にかける。花を添え、線香に火をつける。手を合わせる。
「……やっと面倒ごとが全部片付いたんだ。ようやく、そっちに行けるよ」
{KPC}が拳銃を取り出す。顎に当てる。

探索者は止められない。当たり前だ、自ら命を絶ったのだから。
自分から、止める権利を放棄したのだから。
{KPC}は、目を閉じて────

これは、もしもの話。
現実ではない、夢の話。
どうにもならない、おしまいの話。

乾いたピストルの音が響く。
地球の探索者は今日も、目を醒まさない。


ED.2『ヴェスペルティリオは灰に帰す』


▶	クリア報酬
探索者、ロスト。
KPC、生還。

筆者メモ：KPCは地球のシーンを除き、最初から最後まで本物ではなく≪狂気を食べるもの≫なので、生還です。最後に探索者の墓の前で自殺したシーンをわざわざ挟んだのは、≪狂気を食べるもの≫がより探索者を苦しめるために見せた悪夢に過ぎません。


 
---- 何も撃たない ----

ごとり、と音を立てて、拳銃が床に落ちる。
そんなこと出来るはずがない。
愛する人を殺す、あるいはその目の前で自殺するなど、出来っこない。
何故なら、決めたからだ。
どれだけ苦しくても、最後まで一緒にいる、と。

「……××××？」
でも、誰と一緒に、いたいんだっけ。

筆者メモ：ここで＜正気度＞を全て失います。一度にガッと減らしても良いですし、全てなくなるまでどの程度かかるのか、一回 × 一か月として 1D6／1D10 の＜正気度＞喪失を振り続けても良いです。


 
---- シナリオ中に＜正気度＞を全て失う ----

探索者は自身を失う。
自分が誰だったのか、誰と生きてきたのか、どのように生きたのか、その痕跡全てを忘れる。

「××××？　××××！」
目の前の誰かが必死に声をかける。
誰かは声をあげ、泣き喚き、そして笑いながら、あなたに抱きつく。
「××××……」
それは、いったい、誰の名前だったか。
一瞬、ちかり、と何か光った気がしたが、すぐに見えなくなってしまった。

知らない場所で、知らない人たちと、呆然と暮らす。
狭い部屋に、毎日鍵をかけられる。
何が入っているのかも分からない食事を、口に突っ込む。
誰かに後をつけられながら、用を足す。

多分これらは自分のためにされているのだ。
そんな予感はあるものの、思考がもつれて、何が起きているのか、理解が追いつかない。
既知だったものが未知へと変わり、世界の全て、何もかも、自分さえもが怖くなる。

「あ、ちょっと待って！」
何かから逃げ出したくて、何から逃げるのかも、どこへ逃げるのか分からないまま、駆け出す。
「そっちは踏切です！　もう、お部屋に戻りますよ……！」
しかしすぐに押さえつけられ、暗闇の中へ引きずり込まれる。
もう、こうなってからどのくらい時が経ったのかも分からない。
以前はどんな生活をしていたかすら、思い出せない。

知らない誰かが、いつのまにか目の前にいる。
「たんぽぽ園は、どう？　何かつらいことがあったら言ってね」

何かに縛られているように、身体が動かせない。口が動かない。
声が出ない。息もままならない。

「とても楽しそうに毎日過ごされていますよ。日向ぼっこがお好きで、よく窓際にいるんです」
「本当ですか？　ここに入居出来て良かった」
なのに、涙すらも出て来ない。

「聞こえてないかもしれないけれど。俺、仕事を再開したんだ」
「ここに来られる回数は減っちゃうけど、でも、俺に出来ることはもうないし」
「大丈夫、この先もずっと、定期的には会いに来るよ」

誰でもいい、知らない誰かでもいい。
誰かたすけてほしい。

「それじゃ、今日はこの辺で」

知らない誰かは、遠ざかっていく。
××××は、目を閉じて────

これは、もしもの話。
現実ではない、夢の話。
どうにもならない、おしまいの話。

星の光は届かず、ブラックホールの底に落ちる。
地球の探索者は今日も、目を醒まさない。


ED.3『朽ち生き永らうテレスコピウム』

▶	クリア報酬
探索者、ロスト。
KPC、生還。

筆者メモ：KPCは地球のシーンを除き、最初から最後まで本物ではなく≪狂気を食べるもの≫なので、生還です。探索者を置いてけぼりにするようなシーンをわざわざ挟んだのは、≪狂気を食べるもの≫がより探索者を苦しめるために見せた悪夢に過ぎません。



 
【おまけ】

---- 使用素材 ----

▶	フォント
からかぜ／851手書き雑フォント／クレー One／Allura


▶	トレイラー画像
https://www.photo-ac.com/main/detail/25719688 



---- 裏・シナリオ背景 ----
人の心がありすぎて逆にないゴグ＝フールくん。

ヴェスペルティリオ（Vespertilio）は蝎座の真ん中にある星、アンタレスの別名です（wiki情報で信憑性低めですが）。ラテン語のヴェスパー（vesper）が「宵の明星」という意味なので、多分そんな感じだと思います（どういう感じ？）。ヴェスペルティリオはヒメヒナコウモリの学名としての方が有名なようで、蚊や蛾などが主食の非常に珍しい絶滅危惧種です。ドラクラ・ヴェスペルティリオという名前の蘭もあるらしいですけど、ドラクラというあたりこっちもコウモリ由来そうですね。何にせよ、このシナリオ内ではアンタレスの別名以上の意味は持っていません。
テレスコピウム（Telescopium）はまんまラテン語で望遠鏡のことですね。ぼうえんきょう座という南半球でしか見られない星座の名でもあります。

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』（1933未完）をモチーフにした作品は世に数多存在します。また、フィンセント・ファン・ゴッホ『星月夜』（1889）や、アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリ『星の王子さま』（1943）など、時代や国境を越えて、『星』や『宇宙』を題材に死生観や哲学的思索、ほんとうにたいせつなことを考えさせられる名作が、数多くあります。
筆者はそんな作品を見ると、雄叫びを上げて全身をかきむしりながら三日くらい寝込むほど大好きです。好きすぎて体調を崩すのが玉に瑕です。

そのため「宇宙の話は大好きだけどちょっとやそっとのテーマでは物足りない」「人類が永遠に向き合い続けるような心にずしりと来る命題じゃないと嫌だ」と、好きすぎるが故にずっと自作で主題にするのを避けてきました。風景としてはしょっちゅう書いている気がしますが。
なんて過ごしていた2023年2月中頃、『星の王子さまミュージアム』が閉園するというニュースを聞き、ここで行かねば一生後悔する！　と突発一人旅を決行。その旅行中にウワーッと勢いで、元となるヴェステレ・プロトタイプを書き上げました。約三日間で。流石にそこから色々修正はしましたが、我ながら勢いが良すぎる。
そんな経緯で執筆された本作ですが、投稿時期を検討していたところ「#70年後の追憶」というピッタリすぎるシナリオ投稿企画を発見し、これしかない！　と、ようやく日の目を浴びることが出来ました。いや良かった、良かった。

というわけで好きなものしか詰まっていません。
未来、技術がどんなに発達したとしても、それでも死は私たちに纏わりつきます。
遥か彼方、銀河に燃える星を想いながら、人生の終わり方について考えていただけると『幸い』です。


Thank you for playing.
